天離(読み)あまざかる

精選版 日本国語大辞典 「天離」の意味・読み・例文・類語

あま‐ざかる【天離】

  1. ( 「あまさかる」とも ) 空遠く離れる意。
  2. 「向(むか)つ」にかかる。天から遠く離れたむこうの意によるか。
    1. [初出の実例]「名は撞賢木(つきさかき)厳之御魂(いつのみたま)天疎(アマサカル)向津媛(むかつひめの)命」(出典:日本書紀(720)神功摂政前(熱田本訓))
  3. 「鄙(ひな)」にかかる。空遠く離れた田舎の意か。
    1. [初出の実例]「阿磨佐箇屡(アマサカル)(ひな)つ女(め)の い渡らす迫門(せと) 石川片淵」(出典:日本書紀(720)神代下・歌謡)
    2. 「天(アマ)ざかる鄙(ひな)とはいへど風俗は、都に恥ぬはげし地の」(出典:浄瑠璃伽羅先代萩(1785)七)

天離の語誌

この語の清濁は、時代によって異なるらしい。「日本書紀‐歌謡」例はアマサカルとよめるし、「万葉集」のかな書きの例は、ただ一つアマサガルという例があるが、他の一六例はアマザカルである。「日葡辞書」では、アマサガルとアマサカルの両形があり、謡曲ではアマサガルといっていたらしい。「改正増補和英語林集成」には「Amasakaru アマザカル」とあり、ローマ字書きは清音、かな書きは「ザ」と濁音である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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