伽羅先代萩(読み)めいぼくせんだいはぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伽羅先代萩
めいぼくせんだいはぎ

歌舞伎狂言,および浄瑠璃の曲名。略称『先代萩』。御家物。伊達騒動を脚色。歌舞伎奈河亀輔作,安永6 (1777) 年大坂中の芝居初演。5幕。浄瑠璃は歌舞伎の影響を受け,松貫四ら合作,天明5 (85) 年江戸結城座初演。9段。歌舞伎では桜田治助作『伊達競阿国戯場 (だてくらべおくにかぶき) 』や浄瑠璃を取入れ,普通,「花水橋」「竹の間」「御殿」「床下」「対決」「刃傷」と通して上演。文楽では主として「竹の間」「御殿」のみ上演する。足利頼兼の遊蕩,頼兼の執権仁木弾正がいだく足利家横領の陰謀,幼君鶴喜代を守護する乳人政岡の忠義などを描く。歌舞伎と浄瑠璃で人名に異同がある。

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デジタル大辞泉の解説

めいぼくせんだいはぎ【伽羅先代萩】

歌舞伎狂言。時代物。5幕。奈河亀輔(ながわかめすけ)作。安永6年(1777)大坂中の芝居初演。伊達(だて)騒動に取材。現行の台本はこれにおよび「伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)」を折衷して明治中期に成立したもの。通称「先代萩」。
浄瑠璃。時代物。九段。松貫四(まつかんし)・高橋武兵衛・吉田角丸合作。天明5年(1785)江戸結城座初演。および「伊達競阿国戯場」をもとに作られたもの。通称「先代萩」。

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世界大百科事典 第2版の解説

めいぼくせんだいはぎ【伽羅先代萩】

(1)歌舞伎狂言。時代物。5段。通称《先代萩》。奈河亀輔作。1777年(安永6)4月大坂嵐七三郎座(中の芝居)初演。配役は,梶原景時を初世中村歌右衛門,常陸之助海存(かいぞん)・山伏眼通坊じつは菅沼小助を初世浅尾為十郎,錦戸刑部(にしきどぎようぶ)・栄御前(さかえごぜん)を中村次郎三,伊達顕衡(だてあきひら)・乳人(めのと)政岡を初世中山来助,泉小次郎定倉・松枝節之助(まつがえせつのすけ)・秩父重忠を初世中山文七など。

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大辞林 第三版の解説

めいぼくせんだいはぎ【伽羅先代萩】

歌舞伎の一。時代物。奈河亀輔かめすけ作。1777年大坂中の芝居初演。通称「先代萩」。伊達騒動を脚色したもので、乳人めのと政岡の忠義、実悪の代表的役どころである仁木弾正の活躍で名高い。現行台本は同種の脚本を集大成したもの。
を浄瑠璃化したもの。松貫四まつかんし・吉田角丸らの合作。1785年江戸結城座初演。通称「先代萩」

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精選版 日本国語大辞典の解説

めいぼくせんだいはぎ【伽羅先代萩】

歌舞伎脚本および浄瑠璃の外題。時代物。通称「先代萩」。万治・寛文年間(一六五八‐七三)に仙台の伊達(だて)家で起こったお家騒動を扱ったもの。現在は(一)と(二)を折衷して上演される。
[一] 歌舞伎脚本。五幕。奈河亀輔(ながわかめすけ)作。安永六年(一七七七)、大坂中の芝居初演。奥州鎮守府の冠者太郎経睦と傾城高尾とのこと、悪臣らの若君鶴喜代毒殺の陰謀、わが子千松に毒味をさせて若君を救う乳人(めのと)政岡の忠義などを描く。
[二] 浄瑠璃。九段。松貫四・高橋武兵衛・吉田角丸らの合作。天明五年(一七八五)、江戸結城座初演。同名の歌舞伎脚本および「伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)」を参考に作られた。

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世界大百科事典内の伽羅先代萩の言及

【伊達競阿国戯場】より

…多くの〈累物〉の中でも,怪談より女心の哀れさに重点を置いた佳品で,初演の半四郎の型が後世に伝わった。また,伊達騒動の筋は歌舞伎の《伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)》に吸収され(伊達騒動物),役名や〈床下〉〈対決〉〈刃傷〉などの場面の基礎になっている。【松井 俊諭】。…

【伊達騒動】より

…歌舞伎狂言《伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)》や山本周五郎の小説《樅(もみ)ノ木は残った》等で有名な仙台藩の御家騒動。寛文事件ともいう。…

【文弥節】より

…それをさらに応用したのが初世の高弟岡本阿波太夫で〈愁ひ節〉として知られた。文弥節を吸収したのは義太夫節で,《伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)》の〈政岡忠義の段〉の,〈忠と教える親鳥の〉は文弥節,《絵本太功記》十段目の〈涙に誠あらわせり〉は文弥オトシである。そのほか,山本角太夫(かくだゆう)の角太夫節も影響を受け,一中節も文弥の泣き節をとり入れたといわれ,新内節で使われるウレヒは,阿波太夫の影響といわれる。…

【松貫四】より

…業余に浄瑠璃を書き,1774年(安永3)以来12年間に計8曲を上演して,福内鬼外(ふくうちきがい)(平賀源内),紀上太郎(きのじようたろう)とともに江戸操芝居の盛況に貢献した。いずれも合作だが,なかでも75年江戸外記(げき)座で上演した《恋娘昔八丈(こいむすめむかしはちじよう)》は初世竹本筆太夫の美音もあって記録的な大入りをとり,85年(天明5)江戸結城座の《伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)》とともに立作者としての名を高からしめた。彼の作品はほとんど先人の作に手を加えたもので浄瑠璃の常套(じようとう)を出たものではないが,作中に江戸の風俗を点描するなど目新しさがあり,江戸市中に大いに迎えられた。…

※「伽羅先代萩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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