女王アリ(読み)じょおうあり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「女王アリ」の意味・わかりやすい解説

女王アリ
じょおうあり

昆虫綱膜翅(まくし)目のアリ科に属する昆虫は、集団生活を営み、個体間にカースト(階級)の分化があるが、集団の中心となって産卵を行う個体を女王という。女王アリは本来有翅であるが、結婚飛行に飛び立ち、有翅の雄と交尾したのち、はねを脱落して土中に穴を掘りコロニー建設を行う。高等なアリでは、コロニー建設の間、女王は食物をとることはなく、胸の筋肉を消費して幼虫を養う。働きアリ(無翅)の出現後は、女王はもっぱら産卵に専念するようになる。一般に1巣に1匹の女王がみられるが、数十から数千の女王のいる種類もある。一方、アミメアリでは女王はいない。

[山内克典]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の女王アリの言及

【アリ(蟻)】より

…膜翅目(ハチ類)アリ科Formicidaeに属する昆虫の総称。女王(雌)アリを中心に家族的な集団(コロニー)で生活する。働きアリという無翅の階級が存在すること,胸部と腹部の間に1節,または2節の腹柄節という小型の独立した体節があること,雌アリと働きアリの触角は第1節(柄節)が長くのびて第2節以下とはひじ状に接続するなどの特徴をもつ。…

※「女王アリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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