分化(読み)ぶんか

精選版 日本国語大辞典「分化」の解説

ぶん‐か ‥クヮ【分化】

〘名〙
① 単一のものが内部で分かれて、複雑なものに発展変化していくこと。
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一九「此快楽は生に向って進むに従って分化(ブンクヮ)発展するが故に」
② 社会事象が複雑なものへと分かれ、組織などが分岐発展すること。
③ 生物学で、生物の組織・器官・機能が特殊化の方向に進み、発達すること。〔哲学字彙(1881)〕
④ 種類や性質などによって選り分けること。区別すること。
※近代絵画(1954‐58)〈小林秀雄〉ピカソ「合成的な、混合したものから、本質的なもの、特徴的なものだけを分化して」

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百科事典マイペディア「分化」の解説

分化【ぶんか】

生物学用語。発生しつつあるの各部分が形態的・機能的に特殊化していく過程。形態的に1個の細胞にすぎない受精卵が卵割により細胞の数を増し,やがて外胚葉と内胚葉が分化し,さらに発生が進むと中胚葉が分化し,各胚葉に器官が分化してくる。同時に,それらを構成する細胞にも分化が起き,それぞれの器官・組織に応じた特異的な形態と機能をもつに至る。
→関連項目場(生物)

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岩石学辞典「分化」の解説

分化

底盤(batholith),餅盤(laccolith),シル(sill),岩脈dike)などの貫入岩に用いる語で,二個以上の岩石型からなり,共通のマグマが貫入に先立った分化作用によってその場で発達したものである[Daly : 1914].

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デジタル大辞泉「分化」の解説

ぶん‐か〔‐クワ〕【分化】

[名](スル)
単一なものが進歩・発展するにつれて複雑に分かれていくこと。細分化。
社会事象が単純なものから複雑なものへと分かれ、組織などが分岐発展すること。
生物の細胞・組織・器官の形態や機能が特殊化し、特異性が確立していくこと。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「分化」の解説

分化
ぶんか
differentiation

生物の細胞が分裂増殖し,成長するに互いに構造や機能が特殊化する現象。一般的には比較的単一の系が,2つ以上の質的に異なる部分系に分離する現象をいう。

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世界大百科事典 第2版「分化」の解説

ぶんか【分化 differentiation】

生物の発生過程において,(1)一つのより単純な系または部分から,二つ以上の性質の異なる系または部分を生ずること,また(2)その直接的,間接的な結果として,新しい特性(分化形質)が発現してくることをいう。
動物における分化]
 個体発生の過程に見られる最も早期のめざましい分化現象は,原腸形成に始まる胚葉分化の過程であるが,さらにこれに続く器官原基の形成期には,(1)の意味における分化が活発に行われる。 脊椎動物骨格筋の発生を例にとって,その分化の過程を見てみよう。

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