朝日日本歴史人物事典 「妙蓮」の解説
妙蓮
鎌倉中期の武家の女性。肥前国(佐賀県,長崎県)の御家人佐志房の妻。房は太宰府の遊君阿経も妻としており,妙蓮は実子勇のほかに阿経の子留を養子としていた。孫の代になって相論が生じるが,妙蓮の孫に当たる女子源氏に佐志村の地頭職が承認されたのは,妙蓮が房の正妻であったことによるところが大きいと考えられる。
(田端泰子)
妙蓮
鎌倉中期の女性,薩摩国(鹿児島県)入来院塔原郷の地頭渋谷定仏の後妻。建治年間(1275~78)に,子重通と組んで,定仏の遺領を先妻の子重員と争った。亡夫の代官を率いて美作(岡山県)まで出動,六波羅よりの使者と激しく対決した。
(鈴木国弘)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報