日本大百科全書(ニッポニカ) 「姚雪垠」の意味・わかりやすい解説
姚雪垠
ようせつぎん / ヤオシュエイン
(1910―1999)
中国の作家。原名は冠三。河南省鄧(とう)県の出身。1930年代なかばより本格的な投稿生活に入り、38年5月に発表した『差半車麦稭』で茅盾(ぼうじゅん)に認められた。解放前の代表作は少年期に土匪(どひ)の捕虜となった体験を描いた『長夜(ちょうや)』。反右派闘争で批判されたが、大学の教師として明(みん)代史を研究した実績と郭沫若(かくまつじゃく)の『甲申三百年祭』に刺激され、明末の農民起義軍の首領を主人公とする『李自成(りじせい)』を執筆し、63年に第一巻を、文化大革命後の76年、81年に第二巻、第三巻を発表した。82年茅盾文学奨受賞。中国共産党員。
[大塚秀高]