姫糊(読み)ヒメノリ

デジタル大辞泉 「姫糊」の意味・読み・例文・類語

ひめ‐のり【姫×糊】

飯をやわらかく煮て作ったのり。洗い張りや障子張りなどに使う。

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精選版 日本国語大辞典 「姫糊」の意味・読み・例文・類語

ひめ‐のり【姫糊】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 飯をやわらかく煮て、水を加えひきつぶして作った糊。洗い張りのときなどに用いる。
    1. [初出の実例]「紺屋に使ふは、賤がひめのりにてある」(出典:狂言記・絹粥(1660))
  2. [ 2 ] ( 「絹糊」とも ) 狂言。鷺(さぎ)流。和泉流の野村又三郎家番外曲。大名が元日に着る小袖上下(かみしも)のことを太郎冠者に尋ねると、紺屋に足りないものがあって、上下はまだできないという。何が足りないのかと問うと、大名がいつも読む本にある人の名だというので、「平家物語」の一の谷の合戦の部分を語って聞かせると、その「ただのり」だという。そこで大名は太郎冠者が姫糊(ひめのり)と薩摩守忠度(ただのり)とを取り違えていたことを知ってしかる。「狂言記」にも見られる。

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