紺屋(読み)こうや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

紺屋
こうや

染物屋のことで,こんや,そめやなどともいう。もとは紅師 (紅染め) ,紫師 (紫染め) などと合せて染師,そめやなどと呼ばれていたが,紺染めがその大半を占めていたので,染物職人を総称して紺屋というようになった。染物の技術は中国から移入されて古代から発達していたが,中世になると織物業の発達に伴っていよいよ盛んになり,染物師の座 (一種の同業組合) も生れた。近世に入るとそれがさらに一般に普及し,農村にも渡り歩きの紺屋が訪れるようになり,需要が大きくなるにつれて村々に定住する者も現れた。しかし近代工業の発達に伴って衰退し,現在では特殊な業者が一部に残存するにすぎない。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐や【紺屋】

《「こんや」の音変化》染め物を業とする者。また、その家。もと、藍で布を紺色に染める者をさした。染色を行う家は、古くは、紺屋・紅屋・茶屋のように、得意とする専門の染め色で独立していた。こんかき。こうかき。

こん‐や【紺屋】

こうや(紺屋)」に同じ。

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百科事典マイペディアの解説

紺屋【こうや】

〈こんや〉とも。もと紺掻(こんかき)すなわち紺染職人をさした。江戸期には染物の色によって職人が分化し,紫染の紫師,紅(くれない)染の紅師,茶染師,紺掻等があり京都を中心とした。なかでも紺(藍(あい))染の紺屋は特に発達し,染物屋を代表する呼び名となった。藍がめを四つ目に並べて埋め,温度と石灰(いしばい)による藍建てには多年の経験と勘を要した。
→関連項目アイ(藍)宮津虎落笛

紺屋【こんや】

紺屋(こうや)

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精選版 日本国語大辞典の解説

こう‐や【紺屋】

〘名〙 (「こんや」の変化した語) =こんや(紺屋)
※玉塵抄(1563)一一「一入(しお)二入と紺屋(コウヤ)に云には入をかくぞ」
※浄瑠璃・曾根崎心中(1703)「安土町のこうやへ寄って銭取りゃや」
[補注](1)「こん(紺)」の撥音のウ音便化には、他にも「こうかき(紺掻)」「こうぞめ(紺染)」「こういとおどし(紺糸威)」などがあり、いずれも中世からみられる。
(2)日本各地に「紺屋(こんや)町」という地名が散見するが、「こうやちょう」「こうやまち」とするものは西日本方面に多い。

こん‐や【紺屋】

〘名〙 染物を業とする家。また、その人。もとは藍染屋をいったが、後には広く染物屋をいう。染物屋。こうや。
※歌謡・田植草紙(16C中‐後)朝歌四番「そめてほされたこんやのかきのかたひら」

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