孔子廟堂碑(読み)こうしびょうどうのひ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「孔子廟堂碑」の意味・わかりやすい解説

孔子廟堂碑
こうしびょうどうのひ

中国、唐の太宗が長安の国子監内に孔子廟を改築し、その完成を記念して建てられた碑で、皇帝の命により唐の四大家の一人、虞世南(ぐせいなん)が撰書(せんしょ)した。立碑は貞観(じょうがん)初め、629年ころと推定されるが、建碑後まもなく火にかかり、則天武后のとき重刻したと伝えるが、それも唐末に亡失した。虞世南の書はこの一碑のみで、晩年期に近いころの筆になり、いっさいのむだを省いた、精妙品格の高いことは、唐宋(そう)以来、長く世に喧伝(けんでん)されている。現存する原拓は1本だけで今日、多く伝わるものは、宋の王彦超(おうげんちょう)が翻刻した陝西(せんせい)本と、元(げん)の至元年間に出土したという城武本との二刻である。

[角井 博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の孔子廟堂碑の言及

【虞世南】より

…温和で含蓄のある書風が特徴で,楷・行・草ともによく,特に楷書にすぐれていた。《孔子廟堂碑(こうしびようどうひ)》が有名。欧陽詢(おうようじゆん)・褚遂良(ちよすいりよう)とともに,初唐の三大家と称せられる。…

※「孔子廟堂碑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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