大学事典 「学年暦」の解説
学年暦
がくねんれき
日本では通常,4月に新年度が始まり,3月に終わる。学生の入学,卒業(修了)もそれに合わせて行われるのが一般的だが,年度途中での入学や卒業(修了)を認める大学・大学院が増加している。欧米では8~9月に新年度が始まる大学が多い。そのため,留学生の獲得と送り出しの利便性を高めて国際化を図ることを主眼として,日本の新年度の開始を欧米に合わせようとする議論がたびたび起こっている。2006年(平成18)教育再生会議において大学入学を9月とし,高校卒業および入学試験の時期とのずれを埋めるため,欧米のギャップ・イヤーが注目され,議論が行われた。また,2011年には東京大学が秋入学(9月入学)の方針を打ち出し,一時期,学年暦を巡る議論が起こった。秋入学に全面的に移行する大学はまだ現れていないが,学期制の変更を打ち出し,合わせて入学・卒業(修了)の柔軟化を図ろうとする大学が増加しており,今後しばらく学年暦を巡る議論が続くことが予測される。
著者: 福留東土
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報