孫庇(読み)マゴビサシ

デジタル大辞泉 「孫庇」の意味・読み・例文・類語

まご‐びさし【孫×庇/孫×廂】

寝殿造りなどで、母屋から出ている庇の外側に、さらに継いで添えた庇。またびさし。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「孫庇」の意味・読み・例文・類語

まご‐びさし【孫庇・孫廂】

  1. 〘 名詞 〙 寝殿造りなどの建物で、母屋の外側をとりまく庇のさらに外側に出した庇。清涼殿の孫廂は著名。又庇。ひろびさし。
    1. [初出の実例]「横河定心房 檜皮葺屋一宇 母屋五間、庇四面、孫庇三面、孫々庇一面」(出典:廬山寺文書‐天祿三年(972)五月三日・天台座主良源遺告)
    2. 「主上、清涼殿のまごひさしに出御ありけり」(出典:古今著聞集(1254)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の孫庇の言及

【庇(廂)】より

…平安時代の貴族住宅である寝殿造では,母屋の四周に庇がめぐらされ,母屋・庇による空間構成の完成した姿をみせている。庇を付けてもなお内部空間が足りない場合は,さらに孫庇(まごびさし)が付加された。吹放しの孫庇は広庇(ひろびさし)と呼ばれ,東西の対屋(たいのや)の南端はこの形式が多い。…

※「孫庇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android