(読み)かえる

精選版 日本国語大辞典 「孵」の意味・読み・例文・類語

かえ・る かへる【孵】

〘自ラ五(四)〙 (「かえる(返)」と同語源)
① 卵からひなや子になる。孵化(ふか)する。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「浜千鳥ふみこし浦に巣もりごのかへらぬ跡は尋ねざらなん」
② (比喩的に) 考えなどが十分にかたまる。熟す。
クローディアス日記(1912)〈志賀直哉〉「若し此考が孵(カヘ)ったら彼は何をするか解らない」

かえ・す かへす【孵】

〘他サ五(四)〙
① 卵を、ひなや子にする。孵化させる。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「かひうちに命こめたるかりのこは君がやどにてかへさざるらん」
② (比喩的に) 考えなどをじゅうぶんにかためる。熟させる。
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉須永の話「同じ問題を孵(カヘ)しつつあるのではなからうか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「孵」の意味・読み・例文・類語

ふ【孵】[漢字項目]

[音]フ(呉)(漢) [訓]かえる かえす
卵をかえす。卵がかえる。「孵化孵卵

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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