宇久須郷(読み)うぐすごう

日本歴史地名大系 「宇久須郷」の解説

宇久須郷
うぐすごう

現宇久須を遺称地とし、同地一帯に比定される中世の郷。井田いた庄に含まれる。弘安元年(一二七八)一〇月三日岩松経兼から子政経に譲られた所領のなかに「宇久須郷」がみえる(岩松経兼譲状写「阿波国徴古雑抄」所収岩松家文書)。当郷は鎌倉末期には北条一族の大仏貞直の所領であったが、幕府滅亡後は足利尊氏の所領となった(元弘三年六月から一一月までと推定される「足利尊氏・同直義所領目録」比志島文書)。貞治元年(一三六二)一二月二二日佐野常陸介跡である「宇具須郷」が足利基氏から岩松直国に預け置かれている(「鎌倉公方足利基氏御教書写」正木文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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