定九郎(読み)さだくろう

精選版 日本国語大辞典 「定九郎」の意味・読み・例文・類語

さだくろうさだクラウ【定九郎】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 歌舞伎仮名手本忠臣蔵」五段目に登場する人物で、百姓与市兵衛を殺して金をうばうところから ) 放蕩無頼武士や、泥棒、追はぎのこと。
    1. [初出の実例]「あすこは虎や狼の巣で、昼は定九郎(サダくろう)の立場だす」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)四)
  3. にわか雨の時、傘を法外に高く売りつける者。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の定九郎の言及

【仮名手本忠臣蔵】より

…爾来,歌舞伎の独参湯(どくじんとう)(起死回生の妙薬)と称され,大入りを呼ぶ人気狂言の一つに数えられ,演技や演出にもさまざまな工夫がこらされてきた。初世中村仲蔵が五段目の定九郎に新演出を試みた話などエピソードも少なくない。なお,幕末以後,歌舞伎では二段目を〈建長寺の場〉に改めて演じたり,三段目の切にあるおかる・勘平の件を割愛して《道行旅路の花聟》(《落人》)を四段目の後に付けたり,十一段目を実録風に仕立て直し,立回り本位の討入りに〈両国橋引揚げの場〉を添えるなど一部改作して上演することが多い。…

※「定九郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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