宝達村(読み)ほうだつむら

日本歴史地名大系 「宝達村」の解説

宝達村
ほうだつむら

[現在地名]押水町宝達

宝達山の北西山麓の宝達川開析谷に発達した山村。西の山崎やまざき村の枝村(「公務当用記」加藤文書)。「能登名跡志」に「家数八十軒計、町作りたる村也。中頃金をほりし節所々より来り集りし」とあるように鉱山労働者の集落として成立した。宝達川に沿う宝達・上野うわののほか、宝達山の東にあるむじな山に近い谷地に慶長年間(一五九六―一六一五)すでに野田のだ新町しんまち古屋敷ふるやしきの集落ができていた。宝達金山ほうだつかねやまとは鉱山と集落の総称で、元和六年(一六二〇)の山崎村検地打渡状(岡部文書)によると山崎村高のうち四五石余が「宝達金山町屋敷」として割譲されている。宝達金山は特別行政区で年貢諸役免除であったが、産金量の減少した寛永(一六二四―四四)頃からは「かね山宝達のもの共、是以後其方裁許被仰付候条、諸事在々並ニ可致候」(「津田宇右衛門達書」加賀藩史料)とあるように、村に準じた取扱いとされるようになり、押水組十村の管轄となって寛文六年(一六六六)からは毎年判金二枚一両の山役金が賦課された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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