宣紙(読み)せんし

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宣紙
せんし

書画用の上質紙。もと中国安徽(あんき)省宣城県でつくられたのでこの名がある。表面は粗く、質はもろいが、色白く墨の吸収がよいので書画の制作に適している。ニレ科の青檀(せいたん)の樹皮からつくったものを最上とし、楮皮(ちょひ)、藁(わら)、竹なども用いる。宣城の紙は唐時代から有名で、南唐の澄心堂紙(ちょうしんどうし)は天子の御用紙として珍重され、今日の宣紙の上等品は澄心堂紙の遺法に倣ったといわれる。一枚漉(す)きを単宣、二枚漉きを二双紙、三枚漉きを三層または玉版箋(ぎょくばんせん)と称する。日本では宣紙のうちの一枚漉きを画仙紙、和仙などとよんでいる。[小川乃倫子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の宣紙の言及

【画仙紙(画箋紙)】より

…本来,江戸時代に中国から輸入された紙(唐紙と総称した)の中に,画牋紙(雅仙紙・画箋紙など)の名の紙があった。これは中国の有名な紙で書画に用いる宣紙にちなむ名といわれる。宣紙は唐代の初めからすかれ,青檀(せいたん)を原料とした。…

【紙】より

…また《国史補》によると,紙の生産地は9省18州邑に及んだということで,各地で良質の紙が造られた。とくに安徽省は造紙の中心であり,宣州から産出した〈宣紙〉は現在も書画用として珍重される。用途は多方面にわたり,窓紙などの室内装飾に使用され,紙衣,紙帽など布帛(ふはく)の代用品にもなった。…

※「宣紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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