


屋。亘は半円形にめぐるものをいうことが多い。〔周礼、考工記、車人〕に「
、之れを宣と謂ふ」とみえる。〔説文〕七下に「天子の宣室なり」とあり、〔史記、賈誼伝〕に「孝
、方(まさ)に釐(き)(祭祀の余肉)を受けて宣室に坐す」とあり、未央殿の前正室の名で、儀礼を行うところであったらしい。〔淮南子、本経訓〕に、紂が宣室で殺されたことがみえ、金文の〔
季子白盤(かくきしはくばん)〕に、
氏が
(けんいん)を伐ち、献馘(けんかく)の礼を行い、「王、
に各(いた)り、宣
に爰(ここ)に
(
)す」とあり、ここに馘醜(かくしゆう)(敵将の首)を献じた。また射儀なども、この宣
で行われている。宣室の名は、室を半
の形にとるその室の構造に由来するものであろう。
などの字は未収。亘声のものには垣(えん)・桓(かん)の両音の系統のものが多く、宣声の字は宣一字であるから、宣は会意とするのがよい。
(巡)ziu
nもその系統の語であろう。ゆえに宣に宣撫・宣明などの意がある。
▶・宣赦▶・宣述▶・宣召▶・宣招▶・宣昭▶・宣称▶・宣章▶・宣情▶・宣省▶・宣聖▶・宣誓▶・宣説▶・宣戦▶・宣著▶・宣暢▶・宣通▶・宣哲▶・宣展▶・宣伝▶・宣頭▶・宣導▶・宣読▶・宣播▶・宣髪▶・宣撫▶・宣布▶・宣付▶・宣募▶・宣報▶・宣明▶・宣命▶・宣耀▶・宣揚▶・宣流▶・宣力▶・宣露▶・宣労▶出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
古代において上級者が下級者に対して口頭で命令を下すこと,またその口頭命令。奈良時代には一般的な称であったが,平安時代になるとしだいに朝命の伝達に限定され,天皇の命令をうけて上卿(しょうけい)が宣した奉勅,上卿が独自に下した命令である上宣,一つの官司内で長官が部下に下したものなどがあった。これを受命者が書き記したものが宣旨(せんじ)である。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…その淵源は二つに分けられる。一つは奈良時代に,仰せ,命令の意で広く用いられていた宣の系譜を引く内侍宣(ないしせん),宣旨(せんじ),口宣案(くぜんあん),官宣旨(弁官下文),国司庁宣,大府宣などである。内侍宣は,天皇に近侍して奏宣をつかさどる内侍司の女官が天皇の仰せを伝えるものであるが,薬子の変を機に蔵人所が置かれ(810),蔵人が天皇の仰せを,太政官の上卿に伝えるようになった。…
※「宣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...