富川加水堰(読み)とみかわかすいせき

日本歴史地名大系 「富川加水堰」の解説

富川加水堰
とみかわかすいせき

北会津郡北会津村真宮まみやの東部で阿賀川左岸より引水し、会津坂下町金上かながみ地区から広瀬ひろせ地区西端青津あおづを経て旧みや(鶴沼川)に注ぐ、延長一二キロの用水堰を富川堰とよび、天文五年(一五三六)開削。この堰の補給のため、文政一三年(一八三〇)塚原つかはら村の東に取水堰を設け、これを加水堰とよぶ。もとは別個の水利組合で運営していたが、昭和二七年(一九五二)合併して、富川加水堰土地改良区の管理となった。昭和五二年阿賀川水系大規模灌排事業の施工により、阿賀川土地改良区の管理となる。明治一二年(一八七九)刊の「河沼郡堰由来記」によれば、天文五年発起頭取人として東河原ひがしかわら村赤井六郎左衛門、添人として勝木沢かつきざわ村稲村利兵衛の両人は、領主金上遠江守に荒地開墾を願出、人足五千一〇〇人、諸材木代三五両を交付された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android