山川 日本史小辞典 改訂新版 「富貴寺大堂」の解説
富貴寺 大堂
ふきじおおどう
正面3間,側面4間の阿弥陀堂で,平安後期の建築。内部の方1間を母屋とし,来迎壁を設け須弥壇(しゅみだん)を造り,阿弥陀如来像を安置する。母屋柱は円柱,側柱は角柱で,組物を舟肘木(ふなひじき)とし,内部には極彩色で仏画や文様を描く。屋根は宝形造で,本瓦葺とするのは珍しい。母屋を後方にとり,母屋の前を広い礼拝の空間とする点や母屋前面の柱筋と両側面の柱筋をずらす点に,中尊寺金色堂,鶴林寺太子堂といった12世紀前期の阿弥陀堂に比べて建築形式の発展がみられ,建築年代が降ると推定される。高さ8.7m。国宝。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報