化学辞典 第2版 「対イオン」の解説
対イオン
タイイオン
counter ion, gegen ion
【Ⅰ】ゾル中のコロイド粒子表面に吸着したイオンと対立して,粒子をとりまく反対符号をもつイオン.たとえば,金のゾルではAuCl4-が吸着し,H+ などの陽イオンが対立イオンとして媒質中に分布する.ある厚さのイオン雰囲気を形成しているものと考えられる.【Ⅱ】電解質溶液中において,溶液全体では電荷のバランスがとられ中性であるが,反対電荷をもつイオンは互いに引き合い,たとえば陽イオンのまわりに多くの陰イオンがとりまいている.これは動的なものであるが,平均として陽イオンのまわりには陰イオンが集まる.このとき,陽イオンに対して陰イオンを対イオンという.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報