ゾル(読み)ぞる(英語表記)sol

翻訳|sol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゾル」の意味・わかりやすい解説

ゾル
ぞる
sol

液体中に微粒子分散質(コロイド粒子、粒径が0.1マイクロメートル程度)が分散し、かつ流動性を保持しているものをいう。分散媒が水のものはヒドロゾルという。固体や液体の微粒子が空気その他の気体の分散媒に分散、浮遊している系もゾルに含めることがあるが、こちらはむしろエーロゾル(浮遊微粒子、煙霧質エアロゾルともいう)として区別することが多くなった。ゾルがところてんゼラチンのようにゼリー状に固化したものをゲルという。なお、ゾルはドイツ語読みで、英語ではソルという。通常の溶液と異なる性質をいろいろと示すが、チンダル現象などは顕著なものの一つである。

山崎 昶]

『近藤保・鈴木四朗著『入門 コロイドと界面の科学』(1994・三共出版)』『北原文雄著『界面・コロイド化学の基礎』(1994・講談社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾル」の意味・わかりやすい解説

ゾル
sol

ゲルに対する語。コロイド粒子が液体中や気体中に分散し,ブラウン運動をしている系をいう。分散媒が水ならばヒドロゾル,有機溶媒ならばオルガノゾル,気体ならばエーロゾル (煙霧質) という。

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