化学辞典 第2版 「対陰極」の解説
対陰極
タイインキョク
anticathode
X線は,X線管内でらせん状の陰極(たとえば,タングステンのフィラメント)を電流により加熱して電子を放出させ,高電圧で加速して陽極に衝突させることにより発生させる.この高速度の電子線(陰極線とよぶ)の衝撃を受ける陽極(固体)を対陰極とよぶ.通常,クロム,鉄,コバルト,ニッケル,モリブデン,銅,銀,白銀,タングステンなど融点の高い金属塊からできており,その内部に水あるいは油を通して対陰極に発生する熱の発散をはかっている.X線管球から得られる最大X線量は,対陰極元素の融点,熱伝導度によって定まる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報