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発散 はっさんdivergence

翻訳|divergence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発散
はっさん
divergence

(1) 級数あるいは数列 Sn(n=1,2,…) が n を十分大きく選ぶとき,ある一定値 S に任意に近い値に近づくとき収束すると呼び,収束しないとき発散するという。また正項級数については,和が +∞ になるとき,( +∞ に収束するという言い方もあるが) 通常は発散するという。 (2) ベクトル量 U=(UxUyUz) が座標 (xyz) の関数であるとき ∂Ux/∂x+∂Uy/∂y+∂Uz/∂z を divU と記し,U の発散という。 (→ダイバージェンス ) (3) 一点を通った光線束が広がってゆく状態をさす。

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デジタル大辞泉の解説

はっ‐さん【発散】

[名](スル)
内部にたまったものが外部へ散らばって出ること。また、外部へ散らばり出ること。「ストレスを発散させる」
一点から出た光が広がって進むこと。
数学で、無限数列・無限級数や関数の値が、極限で有限値に近づかず、正あるいは負の無限大となるか、振動するかになること。⇔収束

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世界大百科事典 第2版の解説

はっさん【発散 divergent】

数学用語。数列の発散とベクトル場の発散の二つがある。
[数列の発散]
 無限数列{xn}が収束しないとき,この数列は発散するという。とくに実数列{xn}において,nを限りなく大きくするときxnが限りなく大きくなるならば{xn}は正の無限大に定発散するといって,と書き,nを限りなく大きくするときxnが負になってその絶対値が限りなく大きくなるならば{xn}は負の無限大に定発散するといって,と書く。収束と定発散の場合は,極限があるという。

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大辞林 第三版の解説

はっさん【発散】

( 名 ) スル
内部にあるものを外にあらわすこと。特に自分の内部にたまったものを外に飛びちらすこと。 「熱を-する」 「若さを-させる」 「不満を-する」
光線が四方に広がること。 ↔ 集束
〘数〙 無限数列・無限級数や関数の値などが収束しないこと。極限で正あるいは負の無限大となるか、振動する。 ↔ 収束

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世界大百科事典内の発散の言及

【眼筋】より

…これに対し,運動方向と逆の作用をもつ筋群(上記の場合は右眼の内直筋と左眼の外直筋)を拮抗筋という。眼球の非共同運動には輻輳(ふくそう)convergence(収斂(しゆうれん)ともいう)と開散divergence(発散ともいう)の2型がある。輻輳は眼前の一点に視線を集中させる機能で,ふつう両眼の内直筋の収縮によって行われる。…

【目∥眼】より

…近いところを見るときには輻湊とともに調節が起こる。これに対して輻湊していた両目の視線を開くことを開散divergenceという。外眼筋は動眼神経,滑車神経および外転神経によって支配されている。…

【級数】より

…また〈等差数列〉 〈等比数列〉の項目にも述べられているように, 与えられた級数の部分和の数列{sn}において,nが限りなく大きくなるときsnがある定まった値sに限りなく近づくならば,すなわち数列{sn}が極限値sをもつならば,その級数は収束して和sをもつ,またはsに収束するといい,このことをと書く。それ以外の場合には級数は発散するという。例えば,(1)からわかるように,であるが,は発散する。…

【極限】より

…例えば数列は収束し,極限値はそれぞれ0,1である。収束しない数列を発散数列と呼ぶ。それらのうち,(1)1,2,22,23,……,2nのように,nが大きくなるに従って第nanが限りなく大きくなるとき,この数列は正の無限大に発散するといい,とかく。…

【数列】より

… 数列{an}において,nが限りなく大きくなるとき,anが一つの定まった値cに限りなく近づくならば,この数列は極限値cに収束するといい,またはxnc(n→∞)と書く。もしも,nが限りなく大きくなるとき,anが限りなく大きくなるか,または-anが限りなく大きくなるならば,この数列はそれぞれ正の無限大に定発散する,または負の無限大に定発散するといい,このことを,それぞれまたはと書く。その他の場合は,数列は不定発散する,または振動するという。…

【ベクトル解析】より

S上の点でのベクトル場Fn成分をFnと書くことにし,なる面積分を定義して,これをSを通過するベクトル流vector fluxという。
[勾配,発散,回転]
 スカラー場φ(x,y,z)が与えられたとき,(∂φ/∂x,∂φ/∂y,∂φ/∂z)を成分とするベクトル場をφの勾配,あるいはグラディエントgradientと呼び,▽φ,またはgradφで表す。ベクトル場F=(Fx,Fy,Fz)に対して,で定義されるスカラー場divFFの発散といい,またx,y,z方向の単位ベクトルをそれぞれijkとするとき,で定義されるベクトル場rotF(curlFとも書く)をFの回転という。…

※「発散」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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