日本歴史地名大系 「小来川村」の解説 小来川村おころがわむら 栃木県:日光市小来川村[現在地名]日光市東小来川(ひがしおころがわ)・中小来川(なかおころがわ)・西小来川(にしおころがわ)・宮小来川(みやおころがわ)・南小来川(みなみおころがわ)・滝(たき)ヶ原(はら)足尾(あしお)山地北部の広い地域を占める。村の北東の黒(くろ)沼に源を発する黒川が火戸尻(ひどじり)山(八五一・六メートル)の東麓から南東に下る東(ひがし)沢を合せて南流。鳴虫(なきむし)山西方に発する西黒川は滝ヶ原地区を南東へ流れ、村の南部南小来川で黒川に合わさる。さらに笹目倉(ささめくら)山(七九九・八メートル)の西裾を回り、東へと流れる。集落はいずれも黒川流域にあり、東小来川には黒下(くろした)・新谷(にいや)・清合地(せいのうち)・中界地(なかがいち)・算用畑(さんようばた)、宮小来川には小春(こばる)・塩(しお)ノ原(はら)・鍛冶屋(かじや)、滝ヶ原には殿畑(とのばた)・大田(おおた)、西小来川には馬返(うまがえし)・飯居(めしい)・菅沢(すげざわ)・原(さいかちばら)、中小来川には水草沢(みずくさざわ)・大久田(おおくだ)・向原(むかいはら)、南小来川には上原(かんばら)・山口(やまぐち)・山中(やまなか)などの小集落がある。東端は鶏鳴(けいめい)山(九六一・四メートル)。北は山久保(やまくぼ)村、西は草久(くさぎゆう)村(現鹿沼市)、南は板荷(いたが)村(現同上)、東は長畑(ながはた)村(現今市市)へとそれぞれ山を隔てて続く。村名は古くは小倉(おぐら)里あるいは黒川郷などと称したが、建武年中(一三三四―三八)来村した藤原藤房が「湧出し水上清き小来川真砂も瑠璃の光をぞ添ふ」と歌ったことによると伝えられる。日光山往古社領六十六郷の一に小来川郷がみえ、教城(きようじよう)院領(日光山常行三昧堂新造大過去帳)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by