( 1 )①は一般に「耳」と同義に解されているが、「俳・風俗文選犬註解‐三」の「爛熳と咲みだれたる中にも首筋小耳のあたりに産毛の深き所ありていやし」の例や、「耳の付け根の起肉部」の称とする「医学至要鈔」の記述から、耳の、ある部分の名称とも考えられるが、明らかではない。
( 2 )②のように近世では文字通り小さい耳の意で、子どものころに耳にしたことにいうようになり、「子耳」という表記も現われるが、近代以降、表記、用法も「小耳に挟む」「小耳にとまる」などの慣用表現に限定され接頭語「こ」は、「小首をかしげる」「小膝を打つ」などと同様に、後接する動詞に「ちょっと~する」の意と解されるようになったと思われる。
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