朝日日本歴史人物事典 「尚思紹」の解説
尚思紹
生年:生年不詳
15世紀,琉球王国の第一尚氏王統初代の王。在位16年(1406~21)。父は佐銘川大主。尚思紹1(1406)年に中山王武寧を滅ぼし王位につく。神号(国王が即位するとき,神の託宣によってつけられる聖号)は君志真物。中国(明朝)貿易に力を入れ,同10年までの間に延べ30回も進貢船を送るなど,アジア諸国のなかで琉球が中継貿易の拠点として繁栄する基礎を築いた。側近には中国人王茂が国相兼右長史として仕え,中国系住人の集落の久米村からも対外関係の人材が登用された。室町幕府とも交渉があり,同9年に足利義持から尚思紹あてに「りうきう国のよのぬしへ」と記した文書の写しが『運歩色葉集』中に残されている。
(真栄平房昭)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報