尼削(読み)あまそぎ

精選版 日本国語大辞典 「尼削」の意味・読み・例文・類語

あま‐そぎ【尼削】

〘名〙
① 尼となった人が、肩のあたりで髪を切りそろえること。
暮笛集(1899)〈薄田泣菫〉尼が紅「頸(うなじ)にかかるあまそぎの 姿をかしと指ざすな」
女の子の髪を、①のようにすること。また、その髪形
※枕(10C終)一五一「頭(かしら)はあまそぎなる児(ちご)の、目に髪のおほへるをかきはやらで、うちかたぶきて物など見たるもうつくし」

あま‐そ・ぐ【尼削】

〘他ガ四〙 尼の髪形に髪の末を切りおとす。あまそぎにする。
※栄花(1028‐92頃)衣の珠「いみじう美しげに、あまそぎたる児(ちご)どもの様にておはします」

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世界大百科事典(旧版)内の尼削の言及

【尼】より

…熊野信仰を各地に広めた〈熊野比丘尼〉は六道図や熊野曼荼羅などを絵解きし,江戸時代に入ると宴席にはべる〈歌比丘尼〉となり,売春婦に転落するものもいた。女性が髪を肩のあたりで切ったのを〈尼削(そぎ)〉というが,そのような髪形の童女をさす場合がある。また近世以降少女または女性をいやしめていうときにも尼という語を用いた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」