居残(読み)いのこり

精選版 日本国語大辞典 「居残」の意味・読み・例文・類語

い‐のこりゐ‥【居残】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他の人がいなくなった後まで、そこにとどまること。また、その人。
    1. [初出の実例]「衆分居残御評定云」(出典:高野山文書‐応永一四年(1407)一〇月二三日・大集会并衆分評定日次)
  3. 残業すること。また、その人。
    1. [初出の実例]「与四郎は居残(イノコ)りの調べ物ありて、家に帰りしは日ぐれの八時」(出典われから(1896)〈樋口一葉〉七)
  4. 遊里で、遊興代金が不足した際に、仲間が金策に奔走している間、人質として遊女屋に軟禁状態にされること。
    1. [初出の実例]「金少して人多し。顧ふに、安んか急に辨ぜん。妨げず、明暁、吾宜く遺遊(〈注〉イノコリ)すべし」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)初)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android