朝鮮民主主義人民共和国咸鏡北道南端の都市。ながく城津と呼ばれていたが,朝鮮戦争で戦死した同地出身の朝鮮人民軍司令官金策の名を記念して1953年改称された。南部の陸繫島交亀山を天然の防風防波堤とする城津港を中心に,貿易・工業都市として発達した。1899年に開港し,穀物,魚類の輸出港であったが,日本植民地時代の末期に北方奥地の蓋馬高原で開発された電力を利用する金属工業が建設されて以来工業化が進んだ。マグネサイト,耐火煉瓦,船舶などの諸工業が立地したが,特に城津製鋼所は清津から供給される鉄を材料とする北朝鮮最大の特殊鋼基地である。メンタイ,タラなどの漁業も盛んでこれを原料とする缶詰工業が興っている。
執筆者:谷浦 孝雄
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北朝鮮、咸鏡北道(かんきょうほくどう/ハムギョンプクド)南端の日本海に臨む工業都市。1899年開港。市街地は鶴頭(かくとう)山を背景に東海岸に沿って南北に展開しているが、農村部は摩天嶺(まてんれい)山脈の東麓(とうろく)を占めている。市内の城津(じょうしん/ソンチン)製鋼所は鉄を中心とする金属工業基地の「咸鏡北道沿海区」の一角をなし、北朝鮮で唯一の特殊鋼を生産している。金策は朝鮮戦争で戦死した朝鮮人民軍司令官の名前で、生前の功労をたたえて1951年彼の出生地城津市を金策市に改名した。
[魚 塘]
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