日本大百科全書(ニッポニカ) 「山上碑」の意味・わかりやすい解説
山上碑
やまのうえひ
群馬県高崎市山名(やまな)町字山神谷(さんじんだに)に所在する石碑。多古碑(たごひ)、金井沢碑(かないざわひ)とともに上野三碑(こうずけさんぴ)とよばれる。碑は、山上古墳の西方数メートルに存在し、あわせて特別史跡に指定。高さ111センチメートル、幅47センチメートル、厚さ52センチメートルの輝石安山岩には、辛巳(かのとみ)の年(推定681)に放光寺の長利(ちょうり)という僧が、母の黒売刀自(くろめとじ)のために系図を記した4行53字の銘文が刻まれている。銘文の内容から、黒売刀自を被葬者とする山上古墳の墓碑と推測され、古墳の造営年代が確定できる資料として著名である。
[後藤喜八郎 2018年5月21日]
2017年(平成29)、山上碑を含む「上野三碑」は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」に登録された。
[編集部 2018年5月21日]