金井沢碑(読み)かないざわのひ

  • かないざわひ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

群馬県高崎市山名町 (旧多野郡八幡村山名字金井沢) にある石碑多胡碑山ノ上碑とともに上野三碑 (こうずけさんぴ) といわれる。碑文摩滅が多いが,神亀3 (726) 年に群馬郡高田里の三家の子孫が,先祖父母のために協力してこの石文 (いしぶみ) を奉ったという趣旨が記されている。江戸時代の発見といわれる。

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世界大百科事典 第2版の解説

上野(こうずけ)三碑の一つ。〈神亀三年〉(726)の年号をもつ,高さ1.1m,幅0.9mの輝石安山岩自然石の。江戸時代中ごろからその存在が知られており,現在高崎市山名町金井沢の南斜面にあるが,古くは下の川沿いにあったとも伝えられる。碑文は平坦な一面に9行112字を楷書体で彫るが,刻みが浅く風化のため解読の困難な個所もある。上野国群馬郡下賛(しもさぬ)郷高田里にある3家の子孫の一族が,その祖先のために知識を結び天地に誓願したことを記す。

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国指定史跡ガイドの解説


群馬県高崎市山名町にある古碑。金井沢に臨む丘陵の南斜面中腹に、平坦に造成されたところにある。江戸時代の中ごろに出土し、かつては小川のほとりで付近の農家の洗濯板として使用されていたといわれる碑で、高さ110cm、幅70cm、厚さ65cmの輝石安山岩に9行112文字が刻まれている。726年(神亀3)に記されたその内容は、上野国(こうずけのくに)群馬郡下賛(下佐野)郷高田里の三家(屯倉(みやけ)の説もある)の子孫が、祖先の菩提を願うためにに誓願している。こうした点から、郷里制施行と奈良時代における民間への仏教信仰の浸透を知ることができ、1921年(大正10)に国の史跡、1954年(昭和29)には特別史跡に指定された。現在は覆屋が設置されている。上信電鉄根小屋駅から徒歩約10分。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

群馬県高崎市山名(やまな)町金井沢に所在する石碑。多胡碑(たごひ)、山上碑(やまのうえひ)とともに上野三碑(こうずけさんぴ)とよばれる(三碑とも特別史跡)。高さ約110センチメートル、幅約70センチメートル、厚さ約65センチメートルの輝石安山岩の川原石に、9行112字の漢字を薬研彫(やげんぼり)で刻している。碑文は、神亀(じんき)3年(726)、上野国群馬郡下賛(しもさぬ)郷高田里の三家(みやけ)の一族9人が仏教に帰依(きえ)し、祖先および父母の菩提(ぼだい)のためにその信仰を表白したもので、上野国における仏教浸透の具体的資料として重要である。

[久保哲三 2018年5月21日]

 2017年(平成29)、金井沢碑を含む「上野三碑」は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」に登録された。

[編集部 2018年5月21日]

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