日本歴史地名大系 「岡山絵図」の解説
岡山絵図(元禄城下絵図)
おかやまえず
一三七×一五八センチ
原図 池田家文庫
解説 肉筆彩色画。作製年代は記入されていないが、図中の六家老の在職年代から元禄一四年―宝永元年の間の作製と推定される。完成期の岡山城下町の全体図。別に六尺五寸竿による実測に基づく詳細な間数記入の部分図(御絵図四折)が作製されている。本図は中央に城下町を描き、屋敷地の区分(侍屋敷・下屋敷・足軽屋敷・町屋・寺)を色分けで示す。家中屋敷割は、重臣クラス(二の丸の上屋敷と城下周辺部の下屋敷)は当該個所に、その他は各地区ごとに四周の余白に名前を別記する。敷地割間数の記入は重臣クラスのみ。寺社名・町名は細かく記入され、前者は敷地割、後者は街路の長さを間数で記入。六二町の町名は延宝四年までに確定された。また元禄一三年に一応の完成をみた後園や、正保年間岡山城鎮守として東照権現を勧請し、旭川東部の上道郡幣立山に造営された岡山東照宮も描かれている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報