岡田令高(読み)おかだのぶたか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡田令高」の意味・わかりやすい解説

岡田令高
おかだのぶたか
(1851―1891)

紡績事業の功労者。島根県生まれ。大学南校に学び、慶応義塾などにも通学。1872年(明治5)大蔵省租税寮に出仕した。1876年フィラデルフィア・米国100年記念博覧会事務官としてアメリカに渡った。以後、勧業指導、とくに紡績技術の監督にあたり、1881年官立模範工場の愛知紡績所が設立されると所長就任、同所が払下げとなる1886年まで見習い生の教育や技術の普及活動に努めた。1887年尾張紡績会社(おわりぼうせきがいしゃ)(東洋紡前身の一つ)の商務支配人として迎えられ、機械設備調達のためイギリスに赴くなど創業に尽くした。1890年大日本綿糸紡績連合会の専任理事に推され、業界の指導調整にあたり、綿花輸入税・綿糸輸出税の廃止運動に尽力した。

石山 洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android