岡野井玄貞(読み)おかのい・げんてい

朝日日本歴史人物事典 「岡野井玄貞」の解説

岡野井玄貞

生年生没年不詳
江戸前期の医者,暦算家。京都の人。寛永20(1643)年7月,朝鮮の通信使が来日したとき,江戸におもむいて,正使,副使に次ぐナンバー3の儒者としてきた螺山に面会を求め,暦法,特に中国の伝統的暦法の最高傑作である元の授時暦について根掘り葉掘り聞きただした。螺山,玄貞ともに大した人物でもなかったが,当時李朝の科学技術の水準は明代の中国をも抜くものがあり,一方日本の知的水準は低かったので,玄貞を介して授時暦が伝わるルートができた。玄貞の弟子に初代天文方となった渋川春海があり,授時暦を真似して,邦人の手による最初の改暦が貞享年間(1684~88)に成立した。

(中山茂)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡野井玄貞」の解説

岡野井玄貞 おかのい-げんてい

?-? 江戸時代前期の暦算家。
京都の医師。寛永20年(1643)朝鮮通信使に同行してきた学者容螺山(よう-らざん)が江戸にきたとき,京都よりでむき,七政四余の運行理論をまなんだ。門人に渋川春海(はるみ)がいる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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