岩野郷(読み)いわのごう

日本歴史地名大系 「岩野郷」の解説

岩野郷
いわのごう

おおむね現宇和町北部および東部、現西宇和郡三瓶みかめ町・現八幡浜やわたはま市南部を含む中近世の郷名。古代石野いわの(和名抄)の名を継承したものと思われる。千眼せんげん(現野村町富野川)所蔵、至徳四年(一三八七)書写の大般若経奥書(「宇和旧記」所載)に「与州宇和郡岩野郷」とある。

近世郷としての岩野郷は、宝永三年(一七〇六)の「大成郡録」に「一、岩野郷 壱万五千六拾壱石壱升七合 浦里三拾八ケ所」と記され、郷内ごうない上岩木かみいわき・下岩木・小原おばら清沢きよさわ馬木うまぎ杢所もくしよ田苗たなえ真土まつち坂戸さかど伊崎いさき中村なかむら平野ひらのくぼ常定寺じようじようじ賀茂かも大江おおえ東多田ひがしただ河内かわち岡山おかやま伊延いのべ(現宇和町)津布理つぶり安土あづち朝立あさだつ有網代あらあじろ有太刀あらたち皆江みなえ影之平かげのひら(現三瓶町)雁浜かりはま(現明浜町)釜倉かまのくら若山わかやま中津川なかつがわ布喜之川ふきのかわ河舞こうまい国木くにぎ牛名うしな田浪たなみ古藪ふるやぶ(現八幡浜市)の諸村が所属した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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