20世紀日本人名事典 「嵯峨の屋おむろ」の解説
嵯峨の屋 おむろ
サガノヤ オムロ
- 生年
- 文久3年1月12日(1863年)
- 没年
- 昭和22(1947)年10月26日
- 出生地
- 江戸・日本橋箱崎
- 本名
- 矢崎 鎮四郎
- 別名
- 別名=嵯峨の屋 御室(サガノヤ オムロ),別号=北邙散士,嵯峨の山人,矢崎 嵯峨の屋(ヤザキ サガノヤ),潮外,探美
- 学歴〔年〕
- 東京外語露語科〔明治16年〕卒
- 経歴
- 東京外語の下級だった二葉亭四迷の紹介で、明治19年坪内逍遙を訪れ、玄関番として寄遇。嵯峨の屋おむろの号を与えられた。20年処女作「浮世人情 守銭奴之肚」を出版。21年「無味気」が出世作。作品には倫理的文明批評的傾向と、ツルゲーネフなどに影響を受けた浪漫的な面がある。また、辛苦の多かった少年時代の影響か、独自の厭世的感情感が「初恋」「野末の菊」「流転」など代表作にも見られる。詩人としては宮崎湖処子編「抒情詩」収録の「いつまて草」9編がある。明治39年から大正12年まで陸軍士官学校ロシア語教官を務めた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報