嶺岡山(読み)みねおかやま

改訂新版 世界大百科事典 「嶺岡山」の意味・わかりやすい解説

嶺岡山 (みねおかやま)

千葉県南部,南房総市の旧丸山町にあり,嶺岡山地に属する山。標高361m。嶺岡浅間山ともいわれ,一帯は嶺岡山系県立自然公園に指定されている。山体は中生代砂岩粘板岩を基盤とし,これに蛇紋岩が貫入している。蛇紋岩を母岩とした粘土層が発達した南斜面の一部では地すべり現象がみられる。安房松島といわれる海岸の島々は嶺岡山地の延長。

 一帯は戦国時代には里見氏の馬牧であったが,江戸時代に幕府直轄の嶺岡牧となった。嶺岡牧は長狭(ながさ)郡,平郡,朝夷(あさい)郡にまたがり,西一牧,西二牧,東上牧,東下牧,柱木牧の5牧に分かれていた。明治維新後官有となり,1878-84年は株式会社嶺岡牧社がこれを借用して経営,以後88年まで千葉県が経営したが,89年嶺岡畜産会社に払い下げられた。当時の面積は約1750haであった。1911年同社の解散に際して約30haが千葉県に寄付されて県営種畜場となった。のち乳牛試験場を経て,2001年千葉県畜産総合研究センター嶺岡乳牛研究所となり,県の酪農行政の中心となっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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