差動変圧器(読み)さどうへんあつき(その他表記)differential transformer

改訂新版 世界大百科事典 「差動変圧器」の意味・わかりやすい解説

差動変圧器 (さどうへんあつき)
differential transformer

差動変圧器は変位を交流起電力に変換する可動鉄片型電磁誘導変換器で,一次コイル,2組の二次コイルおよび鉄心からなる。図は同軸型の差動変圧器で広く用いられている構造である。ボビンの中央を一次コイルLinとし,両側は二次コイルでそのL1L2は互いに逆極性に接続する。一次コイルを一定交流電圧einで励磁すると,鉄心は磁化され,その交番磁束が二次コイルに交流電圧を誘起させる。その電圧は鉄心の相対位置によって決まり,鉄心がボビン中央にあれば両二次コイルに誘起される電圧e1e2は等しく,差動接続により出力は0,鉄心がボビンの中央より右にあればコイルL1に誘起される電圧はコイルL2より大きくなり,鉄心が左によればこれと逆で,位相も180度かわっている。差動変圧器の出力電圧の大きさは鉄心の0点からの移動量にほぼ比例する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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