差勝る(読み)さしまさる

精選版 日本国語大辞典 「差勝る」の意味・読み・例文・類語

さし‐まさ・る【差勝・鎖増】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. ( 「さし」は接頭語 ) いっそうまさる。いちだんと大きくなる。
    1. [初出の実例]「いにしへの憂かりしふしぶしにも、これはさしまさりて」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)三)
  3. (枝などが)伸びてますます茂る。
    1. [初出の実例]「枝さしまさる木(こ)の下(もと)にただやどり木と思ふばかりを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
  4. 光がさらに明るく差す。
    1. [初出の実例]「ひかげにもさしまさりけりくものうへは」(出典:四条宮下野集(1069頃))
  5. ( 鎖増 ) いっそう固くとざす。
    1. [初出の実例]「うらみわび胸あきがたき冬の夜にまたさしまさる関の岩かど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)

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