巴流
ともえりゅう
近世薙刀(なぎなた)術の一流派。木曽義仲(きそよしなか)の愛妾(あいしょう)で、勇武をもって知られる巴御前(ともえごぜん)に仮託した流名とも、巴型(ともえがた)の薙刀を使用した流儀の汎称(はんしょう)ともいわれる。
薙刀はその身(み)の形状から、巴型と静(しずか)型との区別があり、巴型は反(そ)りが浅く、長いのに対し、静型は反りが深く、短くて、幅広い。この流儀の分布は明らかではないが、広島藩などに伝承し、懐剣(かいけん)術を含んで行われた。
[渡邉一郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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