巴流(読み)ともえりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「巴流」の意味・わかりやすい解説

巴流
ともえりゅう

近世薙刀(なぎなた)術の一流派。木曽義仲(きそよしなか)の愛妾(あいしょう)で、勇武をもって知られる巴御前(ともえごぜん)に仮託した流名とも、巴型(ともえがた)の薙刀を使用した流儀汎称(はんしょう)ともいわれる。

 薙刀はその身(み)の形状から、巴型と静(しずか)型との区別があり、巴型は反(そ)りが浅く、長いのに対し、静型は反りが深く、短くて、幅広い。この流儀の分布は明らかではないが、広島藩などに伝承し、懐剣(かいけん)術を含んで行われた。

[渡邉一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android