巴流(読み)ともえりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「巴流」の意味・わかりやすい解説

巴流
ともえりゅう

近世薙刀(なぎなた)術の一流派。木曽義仲(きそよしなか)の愛妾(あいしょう)で、勇武をもって知られる巴御前(ともえごぜん)に仮託した流名とも、巴型(ともえがた)の薙刀を使用した流儀汎称(はんしょう)ともいわれる。

 薙刀はその身(み)の形状から、巴型と静(しずか)型との区別があり、巴型は反(そ)りが浅く、長いのに対し、静型は反りが深く、短くて、幅広い。この流儀の分布は明らかではないが、広島藩などに伝承し、懐剣(かいけん)術を含んで行われた。

[渡邉一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android