懐剣(読み)カイケン

デジタル大辞泉 「懐剣」の意味・読み・例文・類語

かい‐けん〔クワイ‐〕【懐剣】

ふところに携える護身用短刀懐刀ふところがたな
[類語]短剣短刀あいくちどす守り刀けんつるぎ刀剣太刀大刀たち大刀だいとう小刀しょうとう名刀宝刀軍刀牛刀日本刀青竜刀サーベル銃剣手裏剣真剣懐刀ふところがたな脇差し小柄人斬り包丁快刀業物木刀木剣木太刀竹光長刀なぎなた

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精選版 日本国語大辞典 「懐剣」の意味・読み・例文・類語

かい‐けんクヮイ‥【懐剣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ふところに入れておく護身用の短刀。ふところがたな。一尺三寸。
    1. [初出の実例]「懐剣(クヮイケン)と云太刀を錦の袋より取出して、赤松にこそ引きたりけれ」(出典太平記(14C後)二七)
  3. 連歌俳諧などの席にのぞむ前に、あらかじめ句案句作しておくこと。また、その句。懐句。はらみ句。宿構(しゅっこう)。〔類聚名物考(1780頃)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「懐剣」の意味・わかりやすい解説

懐剣
かいけん

懐刀(ふところがたな)、隠剣(かくしつるぎ)ともいう。『古事記』に「自懐出剱」(懐より剣を出す)とあるように、懐に隠し持つ刀剣のことをいう。しかし、これは特殊な様式のものではなく、『武器考證(こうしょう)』に「此懐刀ハ腰刀ナリ」とあるように、短い刀を懐中深く隠し持って外に現さず、火急の際に用いる。一般に女子が錦(にしき)の袋に入れて胸元に差すような誤解があるが、結婚式に花嫁が懐剣を懐にするのは明治以降のことである。

[小笠原信夫]

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