市谷甲良屋敷（読み）いちがやこうらやしき

日本歴史地名大系

市谷甲良屋敷
いちがやこうらやしき

• 東京都：新宿区
• 旧牛込区地区
• 市谷甲良屋敷

[現在地名]新宿区市谷柳町（いちがややなぎちよう）など

尾張藩上屋敷西門馬場から北上する通りの東側を占める町屋。この通りを隔てて西は市谷柳町、北は山伏（やまぶし）町から牛込原（うしごめはら）町方面へ向かう通り（現大久保通）を隔てて武家地、東・南も道を隔てて武家地。当地は古くは市谷村地内で、寛永一八年（一六四一）に加賀藩前田光高の室清泰院（将軍徳川家光の養女）の局栄順尼が拝領、寛文四年（一六六四）京都清浄華（しようじようけ）院（現京都市上京区）了秀に譲られ、元禄一三年（一七〇〇）了秀から作事大棟梁甲良豊前に譲られた。以後は甲良家が拝領。栄順拝領の時代には支配が不明瞭で、出入等があった場合は万事評定所へ申立てていた。そこで栄順は町並支配を願出たが、代官支配を申付けられている（御府内備考）。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」