希夷(読み)きい

精選版 日本国語大辞典 「希夷」の意味・読み・例文・類語

き‐い【希夷】

〘名〙 (「老子」の「視之不見、名曰夷、聴之不聞、名曰希」による語) 奥ふかい道理。道の本体
性霊集‐七(835頃)為荒城大夫奉造幡上仏像願文一首「雖希夷玄妙忽怳冥然、々猶、蜃楼構宮、夢幻築室」

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普及版 字通 「希夷」の読み・字形・画数・意味

【希夷】きい

感覚的にはとらえがたい奥深いもの。道の本体。〔老子、十四〕之れをれども見えず、名づけて夷と曰ふ。之れを聽けども聞えず、名づけて希と曰ふ。之れを搏(う)てども得ず、名づけてと曰ふ。此の三は致詰すべからず。故に混じて一と爲る。

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世界大百科事典(旧版)内の希夷の言及

【人相学】より

… その後隋,唐,五代十国の時代になっても相術は衰えることなく,呂洞賓(りよとうひん),一行(いちぎよう)禅師,麻の衣に身を包むを常とした麻衣(まい)仙人,後周の世宗の師であった王朴などが出た。さらに麻衣仙人の弟子で宋の太宗から希夷と賜号された陳摶(ちんたん)は長く秘伝とされていた相法を公表し,他の仙家や仏家もこれに倣ったので,宋代にはこれらをまとめた《神相篇》が出た。この書によって相術を究める者は後を絶たず,その中には,元の世祖(フビライ・ハーン)が日本を襲った際に師としてこれをいさめたと伝えられる碧眼道者らがいる。…

※「希夷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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