…江戸時代の女髷(まげ)に用いる和紙による髪飾の一種。実用性のみの髪を束ね結う撚元結(よりもとゆい)と,装飾性をも兼ね備えた平元結(ひらもとゆい)とは,近世中ごろまでの女髷を形づくる過程に用いられてきた。宝暦年間(1751‐64)ころより髪形が複雑になり,撚元結と装飾のみに用いる丈長の2種に大きく分けられ,平元結は姿を消した。…
…《和名抄》に〈毛度由比〉と書かれ,古く《万葉集》《古今和歌集》などの歌にも詠まれた。また,《枕草子》に〈元結よる〉とあるのは実用の撚り元結のことであり,《紫式部日記》に〈釵子さして白き元結したり,頭つきはえてをかしく見ゆ〉とあるのは平元結(ひらもとゆい)と考えられ,装飾を兼ねていたことがわかる。近世の元結は文七元結(ぶんしちもつとい)の名に始まる撚り元結の既製品が出はじめ,全国的に一般化する。…
※「平元結」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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