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元結 げんけつYuan Jie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

元結
げんけつ
Yuan Jie

[生]開元11(723)
[没]大暦7(772)
中国,盛唐の文学者。武昌 (湖北省武漢市) の人。一説に魯県 (河南省) の人という。字,次山。号,琦玕子 (きかんし) ,漫郎など。生年も一説には開元7 (719) 年。天宝 13 (754) 年進士に及第。安禄山の乱を避け,湖北の西塞山中の 琦玕洞にこもったが,乾元2 (759) 年粛宗に召され右金吾兵曹参軍となり,反乱軍の討伐に戦功をあげた。広徳1 (763) 年道州 (湖南省) 刺史,大暦3 (768) 年容管経略使に進んだが,翌年母の死にあって官をやめた。人格高潔で憂国の情に富み,詩は社会の矛盾に目を向け,戦乱のなかの人々の苦しみをうたった社会詩が多く,その『系楽府』 12首は白居易の『新楽府』のさきがけである。また文章でも派手な技巧を避け,内容を重んじた文で,韓愈の古文運動の先駆をなした。詩文集『元次山集』。

元結
もとゆい

日本髪を結うとき髪の根もとを束ねるのに使う紐。昔,公家や武家の間では松竹や鶴亀など美しい色絵の紐の飾り元結もあったが,庶民はこより,わらなども用いた。こよりが大勢を占めるようになったのは寛文年間 (1661~73) といわれる。 1871年断髪令以後,男子の元結はほとんどなくなった。

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デジタル大辞泉の解説

もっとい〔もつとひ〕【結】

もとゆい」の音変化。

もとい〔もとひ〕【元結】

もとゆい」の音変化。

もと‐ゆい〔‐ゆひ〕【元結】

髪の髻(もとどり)を結び束ねる紐(ひも)・糸の類。古くは組紐または麻糸を用いたが、近世には糊(のり)で固くひねったこよりで製したものを用いた。もとい。もっとい

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百科事典マイペディアの解説

元結【もっとい】

元結(もとゆい)

元結【もとゆい】

日本髪の髻(もとどり)を結ぶもの。〈もっとい〉とも。古くは麻糸や組紐(くみひも)を用いたが,江戸初期から元結紙でこよりを作り水糊(みずのり)を塗ったものを用いるようになり,これを文七元結と称した。
→関連項目伊予柾紙元結紙

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世界大百科事典 第2版の解説

げんけつ【元結 Yuán Jié】

719?‐772
中国,中唐の詩人。字は次山。武昌(湖北省武漢)の人。伝記は同時代の顔真卿の墓碑銘に詳しい。不安な社会相を描いた作品にすぐれ,〈系楽府(けいがふ)〉12首は,白居易らの新楽府運動の先駆となった。そのうち〈舂陵行(しようりようこう)〉はことに有名である。また華美な今体詩を排撃し,古詩を賞揚する目的で《篋中(きようちゆう)集》(760)を編纂した。《元次山文集》10巻が伝わる。【荒井 健】

もとゆい【元結】

髪をまとめて結ぶ用具。古くは麻糸,組紐などを用いたが,近世は和紙を細く折りたたんだり,撚ったりしたものを用いるようになり,現在に至っている。名称の由来は髪の元(根)を結ぶための用がそのまま呼名になったもので,〈もっとい〉という。《和名抄》に〈毛度由比〉と書かれ,古く《万葉集》《古今和歌集》などの歌にも詠まれた。また,《枕草子》に〈元結よる〉とあるのは実用の撚り元結のことであり,《紫式部日記》に〈釵子さして白き元結したり,頭つきはえてをかしく見ゆ〉とあるのは平元結(ひらもとゆい)と考えられ,装飾を兼ねていたことがわかる。

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大辞林 第三版の解説

げんけつ【元結】

719~772) 中国、中唐の詩人・文学者。字あざなは次山。人格高潔で民衆の痛苦に深い関心を示し、白居易など後世の社会詩に影響を与えた。著「元次山集」など。

もっとい【元結】

もとい【元結】

「もとゆい(元結)」の転。

もとゆい【元結】

髪の髻もとどりを束ねる紐ひもや糸。古くは組紐くみひもや麻糸を用いたが、近世には和紙を縒った扱き元結が主となった。装飾のための絵元結・跳ね元結などもある。もっとい。
[句項目]

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世界大百科事典内の元結の言及

【元好問】より

…中国,金の詩人。金は,1115年(収国1)女真人(満州族)によって建国され,1126年(天会4)北宋を倒して中国の北方に君臨した王朝であるが,元好問は唐の詩人元結(719‐772)を祖先に持つ漢民族であった。太原府忻(きん)州秀容県(今の山西省忻県の地)に生まれ,字は裕之,号は遺山。…

【こより(紙縒∥紙撚)】より

…上代には髪を結ぶのに麻糸を用いたが,7世紀に和紙が日本で作られるようになってから,こよりを用いたようである。これが後世の元結(もとゆい)の起源である。《万葉集》や《古今和歌集》にもすでに元結という言葉があらわれている。…

※「元結」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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