平山氏(読み)ひらやまうじ

改訂新版 世界大百科事典 「平山氏」の意味・わかりやすい解説

平山氏 (ひらやまうじ)

武蔵国平山郷本領とする中世武家。武蔵七党西党の一流で,季重(一説直季)を祖とする。季重は源氏家人として保元・平治の乱に活躍,のち源義経の平家追撃軍にも加わって数々の戦功をあげた。しかし義経らとともに源頼朝の許可なく任官したため,頼朝から〈顔ハフワフワトシテ希代ノ任官哉〉とののしられ処罰を受けた。その子孫は1213年(建保1)の和田合戦で和田方にくみして衰退した。下って室町時代に,関東管領上杉氏の影響下にあった武州南一揆の主導的有力国人として現れる平山三河入道は,おそらく季重一族の末流であろう。彼は1419年(応永26)平山郷が属する東福寺領船木田荘の年貢を抑留して東福寺雑掌から訴えられている。この平山氏は,他の武蔵国国人衆同様に,山内上杉氏没落後は越後の上杉氏と北進中の後北条氏との間にあって微妙な動向を示したが,後北条氏による武蔵国掌握とともにこれに従ったと考えられる。
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