平牧動物群(読み)ひらまきどうぶつぐん

最新 地学事典 「平牧動物群」の解説

ひらまきどうぶつぐん
平牧動物群

Hiramaki fauna

岐阜県可児市・瑞浪市の瑞浪層群などにみられる中新世前~中期の化石脊椎動物群。陸生哺乳類を特徴とする。主な脊椎動物は次のとおり(鹿間時夫,1964)。哺乳綱長鼻目:アネクテンスゾウ(Gomphotherium an-nectens)・ステゴロフォドンゾウ(Stegolophodon pseu-dolatidens),奇蹄目:ヒラマキウマAnchitherium hypohippoides)・カニサイChilotherium pugnator)・ヤギバクPalaeotapirus yagii),偶蹄目:ミノジカ(Am-phitragulus minoensis)・トクナガジカ(Dicrocerus tokunagai),爬虫綱亀目:ユダクサガメ(Geoclemmys yudaensis),ワニ目:ワニ類。これに対して海生の戸狩動物群(Togari fauna)があり,同時代かやや後に生息した。主な脊椎動物は次のとおり(鹿間時夫,1964)。哺乳綱束柱目:デスモスチルスDesmostylus japonicus)・パレオパラドキシアPaleoparadoxia tabatai),鯨目:シナノムカシイルカ(Sinanodelphis izumidaensis)・ムカシハシナガイルカ(Eurhinodelphis pacificus)・ミノハシナガイルカ(E.minoensis)・ツガルクジラ(Idiocetus tsugarensis),鰭脚目:シナノトド(Eumetopias sinanoensis)・ネオテリウム(Neotherium sp.)。

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関連語 美彦 岡崎

改訂新版 世界大百科事典 「平牧動物群」の意味・わかりやすい解説

平牧動物群 (ひらまきどうぶつぐん)

日本の代表的な中新世の化石哺乳類群で,岐阜県の可児(かに)・土岐(とき)地方に分布する平牧層から産出する陸生の哺乳類によって代表される。アネクテンスゾウ,ヒラマキウマ,ムカシバク,カニサイ,ミノジカのほかにカバに似たブラキオダスがその構成者としてあげられている。暖帯型の台島(だいじま)型植物群をともなうことから南方系とされ,デスモスチルスやクジラ類の“北方系”とみなされていた中新世後期の戸狩(とがり)動物群と区別された(高井冬二,1939)。しかし,今日では,この平牧動物群とよばれるものは,中新世前期末から中期初頭にかけての約300万年にわたる各時代のものを含み,単一の動物群を示すものでないことがわかった。したがって,平牧動物群は中新世前期から中期にかけての陸生哺乳類の集合の一つのタイプを,戸狩動物群は同じ時代の海生の哺乳類の一つの組合せをよぶこととして扱われている。
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