岐阜県南東部の市。2005年5月旧可児市が兼山(かねやま)町を編入して成立した。人口9万7436(2010)。
可児市の大部分を占める旧市。木曾川南岸にある。1982年市制。人口9万1652(2000)。市域の南西部と東部は主に丘陵地,北部は木曾川に沿う段丘からなる台地で,市の中心地はJR太多線,名鉄広見線が通る広見地区にある。第2次世界大戦中と戦争直後には亜炭産地として知られたが,これといった地場産業もない田園地帯であった。戦後に自動車部品工場が成長し,その下請工場もふえ,工業団地が形成されて機械,金属,窯業などの工場の進出をみた。名古屋の30km圏にあり,隣接する犬山市に通じる名鉄広見線の名古屋への直通化と複線化,国道41号線バイパスの設置など通勤に至便の地になったため,1970年代になって,丘陵地に多くの住宅団地やゴルフ場などが開設され,人口も1975年の2万8235人の3.2倍となった。
執筆者:高橋 百之
可児市北端の旧町。旧可児郡所属。人口1811(2000)。木曾川中流域南岸に位置し,沿岸の沖積低地と南側の丘陵性山地から成る。木曾川に並行して走る県道沿いに町並みが続く。戦国時代に森氏の城下町として町の基礎ができ,現在の兼山瀞にあった兼山湊を木曾川の河港として保護したため,以後商業の町として栄え,東濃地方の物資が集散した。1916年の東濃鉄道(のちの名鉄八百津線,2001年廃止)の開通により中心が鉄道沿線に移行し,町勢は衰退した。木曾川沿岸と古城山は飛驒木曾川国定公園に含まれる。愛知用水の取水口がある。
執筆者:上田 雅子
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岐阜県中南部の新興都市。北は美濃加茂(みのかも)市、南は多治見(たじみ)市、西は愛知県犬山市に接する。1982年(昭和57)市制施行。2005年(平成17)御嵩(みたけ)町を挟んで北方に位置する兼山町(かねやまちょう)を編入。中心地区は広見。JR太多線(たいたせん)、名古屋鉄道広見線、国道21号、41号、248号などが通じ、多治見、名古屋などへの交通の便がよく、ベッドタウン化が著しい。2005年には御嵩町境に東海環状自動車道可児御嵩インターチェンジが開設された。工業では、輸送用機械、生産用機械、はん用機械、パルプ・紙、金属製品、電気機械などの生産が行われ、工業製品出荷額は県下の市町村のなかで第3位(2019)。工業の振興のため、1970年代の前半に工業団地の造成が2次にわたって推進され、その成果があがっている。また、農業では水稲、苗木栽培などが盛んである。1995年と2005年に花フェスタが開催され、花フェスタ記念公園(現、ぎふワールド・ローズガーデン)がつくられている。今渡(いまわたり)地区はかつて木曽川(きそがわ)の渡河宿場、久々利(くくり)地区には可児郷土歴史館をはじめ、人間国宝荒川豊蔵(とよぞう)の志野焼(しのやき)などの作品や収集品を展示する荒川豊蔵資料館がある。兼山地区は、戦国時代に森氏の城下町であった。面積87.57平方キロメートル、人口9万9968(2020)。
[上島正徳]
『『可児市史』全6巻(2005~2010・可児市)』
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