平須山城跡(読み)へいすやまじようあと

日本歴史地名大系 「平須山城跡」の解説

平須山城跡
へいすやまじようあと

[現在地名]南部川村西本庄

東本庄ひがしほんじようとの境近くにある平須山に築かれた中世の山城。源経基の子満快の後裔で野辺快次を祖とする野辺忠房の築城と伝える。

野辺氏は正安二年(一三〇〇)湯河氏の祖に従って熊野山中の賊を討伐し、その功で芳養はや(現田辺市)の辺りを与えられたという。その玄孫(曾孫とも)の快行が延文五年(一三六〇、一説に延元元年)湯河氏に従って山門攻めに参加して津戸野つどの(現東本庄の津殿)を与えられ、津戸野に屋敷を構えたといい、この地に城を築くきっかけとなった。快行の曾孫忠秀は山田やまだ高田たかだ城を築いたが、さらにその子忠房がそれより北方のこの地に城を構え本拠を移したという。光快・光房・春弘と受継がれたが、春弘が西方はた山に要害城を築いて移ったため、廃城となった(日高郡誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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