普及版 字通 「幺」の読み・字形・画数・意味
幺
3画
[字訓] かすか・ちいさい・くらい
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
糸たばを拗(ね)じて結んだ形。幼はこの糸たばに棒を通して強く拗じる形で、拗の初文。〔説文〕四下に「小なり。子の初めて生まるるの形に象る」とするが、その形ではない。〔六書故〕に〔蜀本説文〕を引いて「(いん)なり。厶(し)を重ぬるを幺と爲す。幺は昧(もうまい)に象るなり。亦た子の初の形に象る。以て正をふなり」とあり、李陽冰の改訂本系統のものであろう。〔説文〕は(ゆう)・幽・(幾)の説解に、幺を幽微の意を以て説くが、は糸たばの形。金文に、幺を玄の意に用い、玄(くろ)く染めた糸をいう。
[訓義]
1. 小さな糸たば。
2. かすか、ちいさい、くらい。
3. おさない。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕幺 イトケナシ・スクナシ・ヲサナシ
[部首]
〔説文〕に幼をこの部に属し、〔新附〕に麼(ま)を加える。〔玉〕に別に(れい)など三字を補入する。また部・玄部を続けて列するが、すべて幺の系列の字である。
[語系]
幺・夭yは同声。幼yuも同系の語。幼は拗の初文。みな拗屈の意がある。
[熟語]
幺児▶・幺弱▶・幺孺▶・幺小▶・幺貝▶・幺微▶・幺蔑▶・幺麼▶・幺末▶
[下接語]
絃幺・微幺・六幺
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報